
敗走者のためのブギウギ
2026.11.4 — 2027.1.23
KEN NAKAHASHI
東京都 新宿区
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KEN NAKAHASHIでは、2026年11月4日(水)から2027年1月23日(土)まで、那須佐和子による当ギャラリーでは2度目となる個展「敗走者のためのブギウギ」を開催いたします。那須は、長年収集してきた古いキャンバスを支持体として用います。輸送や保管の過程で生じた傷、汚れ、かつての所有者の痕跡。それらを抱えたキャンバスは、イメージが電子的に消費される現代において、物理的な時間を生き続けるひとつの「身体」として存在しています。 前回の個展「ライナスの布」(2025年)では、会期中に作品を入れ替え、壁に残された釘穴やキャプションによって、かつての記憶と未来の予兆を共存させました。2026年10月には多摩美術大学の家村ゼミ展において、自然光だけの空間に絵画を置きながら、絵画と空間・光・時間のあいだの関係性を探りました。本展では、会期中の作品の入れ替えと自然光を生かした構成を継続しつつ、上下左右の固定観念から解き放たれた空間の組み立てによって、一つの場所や形に定着しない、自由で浮遊感のある絵画のあり方を提示します。本展のひとつの鍵となるのは、ピエト・モンドリアンの未完の遺作《ヴィクトリー・ブギウギ》(1942-1944年)です。厳格な構成に基づきながらも、なお迷いが残されているこの作品に、那須は強く惹かれています。未完のままに残された「生の痕跡」にこそ、那須は絵画の切実さを見出しているのです。そうした視点は、那須自身の絵画のあり方にも通じています。那須の描画プロセスは、ガーゼのような薄い層を幾重にも重ね、描いては拭き取るという、埃を掃くような行為の反復です。画面を分割するのではなく、重なりの中から輪郭が生まれるその手法は、完成へと閉じられることを拒み、常に揺らぎの中に開かれています。 タイトルにある「敗走」とは、勝敗における敗北ではなく、整然と進歩や完成へ向かって行進する絵画のあり方にあえて背を向け、迷いながら退くように進むひとつの「態度」を指しています。効率や合理性から遠ざかり、答えを定めないまま、描き続けること。そうした態度には、直線的な時間軸とは異なる、那須独自の切実なリズムが流れています。絵画という古びたメディウムへの夢を抱きつつ、「敗走」という名のゆったりとした時間の流れの中に描き出す最新作を、ぜひご高覧ください。
参加作家
- 那須佐和子
開催情報
- 開催期間
- 2026.11.4 — 2027.1.23
- 開館時間
- 11:00 〜 18:00アートウィーク東京期間は10:00から
- 休館日
- 月曜日、日曜日、祝日11月8日は開廊 12月27日〜1月4日は休廊
- 料金
- 公式サイトをご確認ください
- 会場
- KEN NAKAHASHI
- 住所
- 東京都新宿区新宿3-1-32新宿ビル2号館5F
- アクセス
- 東京メトロ丸ノ内線・副都心線・都営新宿線新宿三丁目駅C1またはC5出口より徒歩2分、JR新宿駅東南口より徒歩6分



