
奈良美智キュレーション展『地層の胎動』
2026-06-27〜2026-08-08
KOSAKU KANECHIKA
東京都 品川区
概要
KOSAKU KANECHIKAでは、6月27日から8月8日まで、天王洲にて奈良美智キュレーション展「地層の胎動」を開催いたします。 2017年のオープン以来、弊廊は絵画のみならず多様な媒体を扱ってまいりましたが、中でも陶芸という表現には一貫して注力してきました。このたび、セラミック表現の可能性を提示すべく、自らも陶芸作品を手がける奈良美智に本展のキュレーションを依頼いたしました。 この問いかけに対し、奈良は「ひとつ作品が置かれるだけで、その周りの空気までも立ち上がってくるような作家」4名を選出しました。本展は植松永次、桑田卓郎、坂本紬野子、安永正臣の作品約30点によって構成されます。 KOSAKU KANECHIKAでは初となる試みとなる本展に際し、奈良は以下のようなテキストを寄せています。 「地層の胎動 ― 焼かれながら在り続ける」 彼が美術業界に足を突っ込んだ時から付き合いのある金近くんから展覧会のキュレーションをして欲しいと頼まれた。二つ返事で引き受けたのはいいのだけど、いわゆる陶芸界は現代美術と言われるものも、工芸もよく知らないし陶芸史にも詳しくはない。ただ陶芸と呼ばれる分野の面白さ奥深さは、絵画や彫刻のように知っているのではないかと思った。そして自分の造形論的観点からちょっと知っている人たちを選んでみることにした。 あくまでも造形を念頭に置いたので、いわゆるキャラクターぽいポップな作風の作家は選んでいないし、工芸的に完成されている作家も選んではいない。表層ではなくもっと地層的な密度が感じられる作家、あるいはデザイン的な立体構成から少しズレのある作家、すなわち、土と火と時間と偶然が織りなす「不可逆的な痕跡」を身体感覚で捉え、それを自分の身体や存在の延長として立ち上げているような作家たちを選んだつもりだ。彼らの作品は、完璧なフォルムや美しい釉調をめざすのではなく、むしろ「未完であること」「制御しきれないこと」「壊れうること」を内包しながら、それでもなおここに在る、という強度を持っている。表層を拒む地層とも言える植松永次や安永正臣は選考にあたって真っ先に浮かんだ名前だ。坂本紬野子はよく知られたブランクーシの無限柱やカール・ブロスフェルトの植物写真のような単体の存在ではなく、集合体の不完全さによる地層の動性が特徴的な最近作を選んだ。そして桑田卓郎の良さは逆説的に表層の豊かさにあるのだと思った次第である。 陶という素材が持つ原始的な重さと、作家の個人的な記憶や身体性が、表層を突き破って立ち現れる瞬間を、私はこの展覧会で彼らと共有したかったのだ。 本展では、陶という素材を起点としつつ、各作家が異なる身体感覚および時間意識のもとで形成した作品群が展示されます。陶芸の根源的要素を内包しながら、工芸および現代美術の既存の枠組みを超えて展開されるこれらの作品は、複層的な鑑賞体験を提供します。完成された様式や技巧に拘泥することなく、素材に刻まれた時間性、身体性、ならびに制御しきれない偶然性に着目する奈良美智の視点は、本展に参加する作家の造形と深く呼応しています。 奈良美智キュレーションによる本展を、この機会にぜひご高覧ください。
参加作家
- 植松永次
- 桑田卓郎
- 坂本紬野子
- 安永正臣
開催情報
- 開催期間
- 2026-06-27〜2026-08-08
- 開館時間
- 11:00 〜 18:00
- 休館日
- 月曜日、日曜日、祝日
- 料金
- 無料
会場・アクセス
- 会場
- KOSAKU KANECHIKA
- 住所
- 東京都品川区東品川1-33-10TERRADAArtComplex5F
- アクセス
- 東京モノレール・りんかい線天王洲アイル駅より徒歩8分、JR品川駅港南口3番乗り場より都営バス(八潮パークタウン行き、品91)「天王洲橋」下車徒歩3分
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